大宮警察署に家族が逮捕された直後の72時間、留置された本人に立会いなく会えるのは弁護士だけです。家族の面会や差し入れが何分・何回までできるかは、二つの層で決まります。全国共通の枠組みを刑事訴訟法・被収容者処遇法・国家公安委員会の規則が定め、その枠の中で大宮署が実際の運用を決めます。この記事は、大宮署に留置された家族に会いに行く前に何を確認し、遠方からどう動けるかを、条文と大宮署の場所に即して説明します。
第1 逮捕された直後、家族は会いに行けるのか
逮捕された直後は、家族がその日のうちに本人と会える保証はありません。大宮警察署に留置された家族に、立会いなく会えるのは弁護士だけです。
逮捕から始まる期間には、時間の区切りが決まっています。警察は逮捕から48時間以内に、事件を検察官へ送るかどうかを判断します(刑事訴訟法203条1項)。送致を受けた検察官は、24時間以内に裁判官へ勾留を請求するかどうかを決めます(同法205条1項)。
逮捕の時を起算点として、ここまでで通算72時間を超えることはできません(同法205条2項)。この72時間は捜査が集中して動く期間で、家族の面会が現実には進みにくい時間帯です。
検察官が勾留を請求すると、裁判官が本人に会って話を聞いたうえで(勾留質問)、勾留するかどうかを判断します(同法207条)。
勾留が決まると、身柄の拘束は勾留請求の日から原則10日、延長を含めて通じて20日まで続きます(同法208条)。家族の面会が現実に動き出すのは、多くの場合この勾留が決まった後です。
家族の「面会」と弁護人の「接見」は、根拠となる法律も条件も別の制度です。家族の面会は被収容者処遇法(以下「処遇法」)216条、弁護人の接見は刑事訴訟法39条1項が定めています。
弁護士は、逮捕された直後から、立会人なしで本人と接見できます(刑事訴訟法39条1項)。家族が会えない72時間でも、弁護士なら会えます。
接見等禁止が付いた場合でも、弁護士との接見は禁止の対象になりません(同法81条)。この違いが、逮捕直後にまず弁護士を頼る理由になります。
第2 大宮警察署はどこにあり、行く前に何を確認するのか
大宮警察署は、さいたま市大宮区にあります。面会や差し入れの受付時間は公表されていないため、行く前に署へ電話で確認する必要があります。
所在地は、さいたま市大宮区北袋町一丁目197番地7です。産業道路の下り車線沿いにあり、北袋町二丁目の交差点から上尾方面へ約400メートル進んだ左側です。
電車では、京浜東北線のさいたま新都心駅から徒歩15分です。バスの場合は、JRさいたま新都心駅東口から東武バスに乗ります。「さいたま市立病院行き」または「東新井団地(西高前経由)行き」で、「大宮警察南」バス停から徒歩1分です。
電話番号や最新の案内は、埼玉県警察の大宮警察署のページで確認できます。面会や差し入れの受付時間や当日の手続については、埼玉県警察のサイトに公表ページが見当たりませんでした。
遠方から向かう場合はとくに、面会や差し入れが今できる状態かどうかを含めて、訪ねる前に署へ電話で確かめておくと、無駄足になりません。
留置施設は都道府県警察に置かれ(処遇法14条1項)、大宮署の場合はこの留置施設が面会と差し入れの窓口になります。
第3 面会は何分・何回・誰の決まりで決まるのか
家族が面会できる時間・回数・人数は、4つの段階が積み重なって決まります。刑事訴訟法、被収容者処遇法、国家公安委員会の規則、そして大宮署の運用です。規則が定める「15分」「1日1回」は最低限の下限であって、大宮署の実際の面会時間そのものではありません。
出発点は、家族の面会を認める処遇法216条です。この条文は、留置業務管理者に対し、家族などから面会の申出があれば原則としてこれを許すよう求めています(「許すものとする」)。
面会を申し出られるのは、家族に限りません。友人や勤務先の人など、本人以外の人からの申出も、原則として面会の対象になります(同条)。
ただし、家族の面会には職員が立ち会うか、やり取りが録音・録画されるのが原則です(同法218条1項)。面会できるのも、休日を除く平日の、大宮署の執務時間内に限られます。面会の場所も、大宮署の面会室です(規則25条2項)。
面会の人数・時間帯・時間・回数は、留置業務管理者が管理運営上の必要から制限できます(同法220条5項)。もっとも、その制限には国家公安委員会の規則が下限を設けており、面会の時間や回数を一定の水準より短く・少なくすることは許されません(規則25条2項)。
面会の時間の上限を、十五分(面会の申出の状況、面会室の数その他の事情により、やむを得ない事由があると認められる場合にあっては、五分)を下回らないものとすること。 面会の回数の上限を、一日につき一回を下回らないものとすること。 (国家公安委員会規則25条2項)
ここで大切なのは、「下回らない」という書き方です。規則は、面会を最低でも15分、回数を1日に最低1回は確保するという下限を保証しているにすぎません。大宮署の面会が必ず15分になる、という意味ではありません。実際に何分まで、何時まで受け付けるかは、この下限を守ったうえで大宮署が定めます。
面会の対象になるのは、勾留が決まった後の人だけではありません。処遇法は、逮捕されて留置されている人(被逮捕者)も、勾留されている人(被勾留者)も、まとめて「被留置者」として面会の対象に含めています(同法2条)。もっとも、逮捕直後に実際に会えるかどうかは、大宮署の運用による部分が大きく残ります。
第4 差し入れは何ができて、何ができないのか
差し入れは、接見等禁止が付いている間でも認められることがあります。どこまでできるかは裁判所が定める禁止の内容によって変わり、物のやり取り(差し入れ)自体が制限される場合もあります(刑事訴訟法81条)。受け付ける品目や現金の上限、持ち込める時間帯は大宮署の留置業務管理者が定めるため、できるかどうかを含めて、持って行く前の確認が必要です。
差し入れの手続は、処遇法と国家公安委員会の規則が枠組みを定めています(処遇法198条・51条、規則10条)。次の事項は、大宮署の留置業務管理者が定めます(規則10条1項)。
- 申出をする日と時間帯
- 1回に渡せる現金の上限額
- 物品の品目と数量の上限
- 差し入れ品を扱える業者
差し入れのときは、申出書の提出や本人確認書類の提示を求められることがあります(規則10条2項・3項)。申出書には、氏名と住所、本人との関係、渡す金品の内容を書きます。受付の日や時間帯は署ごとに異なるため、差し入れに行く前に大宮署へ確かめておくと確実です。
現金や衣類、書籍などが差し入れの代表的なものです。食品やタバコ、ハサミのような危険物は、受け付けないのが一般的です。差し入れできる物とできない物の一覧や、いつから面会できるかという一般的な流れは、家族が逮捕されたときの連絡と面会の流れで説明しています。
差し入れた現金は、本人にそのまま渡されるのではなく、留置業務管理者がいったん預かります(領置。処遇法194条)。本人はこの中から、日用品などを自分で購入する費用に充てられます(処遇法196条)。預かった金品は、釈放の際に本人へ引き渡されます(同法52条・198条)。
食料の扱いには、法律上の限定があります。接見等禁止が付いた場合でも、食料の授受そのものを禁じることはできません。
但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。 (刑事訴訟法81条)
それでも、留置施設では食品の差し入れを実際にはほとんど受け付けていません(処遇法193条・198条)。「法律で禁じられていない」ことと「大宮署が受け付ける」ことは別だと分けて考える必要があります。
なお、本人の私物や預けたお金を外の家族へ渡してもらう手続(宅下げ)は、差し入れとは方向が逆の別の手続です(処遇法197条)。
第5 遠くて面会に行けないとき、家族に何ができるのか
遠方に住んでいて面会に通えないとき、家族がまずできるのは、弁護士に接見を頼むことです。本人の様子と考えを弁護士に確かめてもらい、差し入れや今後の対応の準備は、そのあとに整えていきます。
家族の面会は、休日を除く平日の日中という限られた時間帯にしかできません(第3で述べた、大宮署の執務時間内という原則です)。埼玉から遠く離れて暮らす家族にとって、この時間に大宮まで通うのは簡単ではありません。
弁護士は、第1で述べたとおり、逮捕された直後から立会いなしで本人に会えます。家族が会えない72時間のうちに、本人が今どうしているか、何を望んでいるかを聞き取り、家族へ伝えることができます。
大宮では、逮捕された直後に当番弁護士を一度呼ぶことができます。呼び方や無料の仕組みは、大宮で当番弁護士を呼ぶにはで説明しています。
本人の側からも、留置先を通じて、特定の弁護士や弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができます(刑事訴訟法78条・209条)。家族は、この申出や当番弁護士への依頼を、外から支えられます。
弁護士は、差し入れの方法を家族に案内したり、本人からの伝言を届けたりして、留置中の生活を支えます。遠方の家族が直接できないことを、弁護士が間に立って進められます。
事件の内容をどう説明するかや、被害者への対応をどう進めるかも、弁護士に接見してもらったうえで相談できます。被害者への対応は、家族が直接動く前に弁護士に相談し、弁護士を通して進めるのが基本です。
第6 結局、大宮警察署に行けば必ず会えるのか
大宮署の受付時間や、最後に面会できるかどうかは、公表資料や条文だけでは分かりません。答えは、大宮署の運用と、接見等禁止についての裁判官の判断にゆだねられています。
第3で見たとおり、規則が保証するのは「15分・1日1回」という下限までです。大宮署が実際に何時から何時まで、1回何分で受け付けるかは、公表されていません。確実なのは、署に電話で確かめることだけです。
逮捕の段階で家族が会えるかどうかも、署の運用による部分が大きく、実務では警察官の判断で認められることもあります。
もう一つの分かれ道が、接見等禁止です。裁判官が、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断してこれを付けると、家族は面会も手紙も原則としてできなくなり、第4で述べた物のやり取りも禁止の内容によっては制限されます(刑事訴訟法81条)。このとき弁護士との接見は、接見等禁止の対象にはなりません。
接見等禁止が付いても、対象を家族に絞って一部を解除できる場合があります。その手続は接見等禁止とはで説明しています。付くかどうか、解除できるかどうかは、最終的に裁判官の判断にゆだねられます。
第7 よくある質問
1 逮捕された本人と、手紙のやり取りはできますか。
手紙(信書)のやり取りは、原則としてできます。ただし、接見等禁止が付くと、手紙も制限されることがあります(刑事訴訟法81条)。電話やメールで本人と連絡を取ることは、留置中はできません。
2 面会に行くとき、身分証明書などの持ち物は必要ですか。
一般に、面会には本人確認のための身分証明書が必要です。大宮署で必要になる書類や、当日の受付の方法は、署によって細かく異なるため、行く前に電話で確認しておくと確実です。
3 面会で話した内容は記録されますか。事件のことを話しても大丈夫ですか。
家族の面会には職員が立ち会うか、内容が録音・録画されます(処遇法218条)。証拠隠滅につながるような話をすると、面会をその場で止められたり、打ち切られたりすることがあります(同法219条)。事件の中身をどう伝えるかは、弁護士を通すのが安全です。
4 すぐに弁護士を呼ぶと費用はかかりますか。
逮捕された直後は、当番弁護士を一度だけ無料で呼べます。その後も弁護士に依頼する場合は、自分で選んで依頼する私選弁護人と、一定の条件で国が費用を負担する国選弁護人があり、費用の仕組みが異なります。
第8 本記事の前提と更新
本記事は2026年7月時点の法令・運用に基づきます。判例・法改正に応じて随時更新します。
大宮警察署に逮捕されたご家族のことでのご相談は、当事務所でも受けています。当事務所は、さいたま市大宮区桜木町2-902(大宮サクラスクエアモール2F)にあります。お電話は平日10時から18時まで、フォームとLINEは24時間受け付けています(原則として翌営業日までにご連絡します)。
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参考文献
- 東京弁護士会法友全期会刑事弁護研究会編『新・刑事弁護マニュアル 手続の勘所と実践知』ぎょうせい、2022年
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