名誉毀損罪のポイント(弁護士による要約)
名誉毀損罪(刑法230条1項)は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪で、法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。事実の真偽は問われず、書いた内容が真実であっても成立し得ます。事実の摘示を伴わない抽象的な悪口(「バカ」「クズ」等)は侮辱罪(刑法231条)の問題となり、2022年の改正で法定刑が引き上げられました(1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金等、公訴時効も1年から3年に延長)。
押さえるべき3つのポイント
- 「公然」は少人数でも成立し得る: 直接見聞きしたのが少数でも、不特定多数に伝わる可能性があれば「公然」と認められます(伝播性の理論・最判昭34.5.7)。SNSや掲示板への投稿はほぼ確実に公然性が肯定されます。
- 名誉毀損と侮辱の境目は「事実の摘示」の有無: 「不倫している」「横領した」のような具体的事実は名誉毀損、「無能」「クズ」のような抽象的悪口は侮辱の問題となります。
- 公益目的・真実性が認められれば免責余地: 公共の利害に関する事実で、専ら公益目的、真実性の証明があれば処罰されません(刑法230条の2)。真実と誤信したことに相当の理由があれば故意が否定されます(最大判昭44.6.25)。
ただし、いずれの罪も親告罪のため、被害者との示談成立により告訴取消し→不起訴となる可能性があります。早期の示談交渉が処分に直結するため、被害届や告訴状の提出前後で対応の選び方が変わる点にご注意ください。
名誉毀損罪は3年以下の拘禁刑等(刑法230条)、侮辱罪は1年以下の拘禁刑等(刑法231条)と、事実摘示の有無により成立要件と法定刑が異なります。本記事では、両罪の違い・成立要件の比較・公共の利害に関する真実性証明による免責規定・SNS事案や示談を含む弁護活動を、刑事事件に注力する弁護士が解説します。
SNSや掲示板への書き込みが「名誉毀損」や「侮辱」にあたるとして、被害届や告訴を受けるケースが増えています。「軽い気持ちで投稿しただけなのに逮捕されるの?」「名誉毀損と侮辱はどう違うの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、名誉毀損罪・侮辱罪について、以下のポイントをわかりやすく解説します。
- 名誉毀損罪と侮辱罪の違い(「事実の摘示」がカギ)
- それぞれの成立要件と法定刑
- 2022年改正による侮辱罪の厳罰化
- ネット上の誹謗中傷で問われるケース
- 逮捕後の弁護活動・示談の流れ
名誉毀損罪とは?構成要件と法定刑
名誉毀損罪は、刑法230条1項に定められた犯罪です。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
ポイントは、書いた内容が本当かどうかに関係なく成立する点です。「事実を書いただけ」という弁解は通用しません。
法定刑は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。名誉毀損罪が成立するには、次の3つの要素が必要です。
- 公然と行われたこと
- 事実を摘示したこと
- 人の名誉を毀損したこと
以下、特に重要な「公然」と「事実の摘示」について詳しくみていきます。
「公然」の意味 ― 伝播性の理論
「公然と」とは、不特定または多数人が認識できる状態をいいます。SNSへの投稿やブログへの記載は、誰でも見られるため「公然」にあたりやすいといえます。
注意すべきは、少人数への口頭伝達でも名誉毀損になる場合がある点です。
判例は「伝播性の理論」と呼ばれる考え方を採用しています(最判昭34.5.7)。特定の少数人に伝えただけでも、その内容が不特定多数に広がる可能性があれば「公然」と認められます。
たとえば、家族3人に対して「あの人は放火犯だ。近所に言って回ってくれ」と伝えた場合、近隣住民に伝わることが前提のため、公然性が認められます。
一方、守秘義務のある者(たとえば取調室の検察官)への伝達は、伝播の可能性が否定されるため、公然性は認められないとされています(最決昭34.2.19)。
「事実の摘示」とは
「事実の摘示」とは、人の社会的評価を低下させるような具体的な事実を示すことです。
たとえば、「あの人は不正をして警察に捕まった」という程度の記載でも事実の摘示にあたります(大判昭7.7.11)。噂や風聞の形であっても同様です(最決昭43.1.18)。
これに対して、「バカ」「最低」といった抽象的な悪口は事実の摘示にあたりません。このような場合は、後述する侮辱罪の問題となります。
名誉毀損罪の故意
名誉毀損罪が成立するために、相手の評価を下げてやろうという意図や目的は不要です。不特定多数が見られる状態で具体的な事実を書き込んだという認識があれば、故意が認められます。
侮辱罪とは?2022年改正で厳罰化
侮辱罪は、刑法231条に定められています。
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
名誉毀損罪との最大の違いは、「事実の摘示」がない点です。「バカ」「クズ」「無能」「ブス」といった抽象的な侮蔑表現が典型例です。
侮辱罪の厳罰化(令和4年改正)
2022年7月7日に施行された改正により、侮辱罪の法定刑は大幅に引き上げられました。
| 改正前 | 改正後 | |
|---|---|---|
| 法定刑 | 拘留又は科料のみ | 1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料 |
| 公訴時効 | 1年 | 3年 |
| 逮捕の制限 | 通常逮捕・現行犯逮捕に制限あり | 制限なし |
この改正の背景には、SNS上の誹謗中傷による被害の深刻化があります。
実務上のインパクトとして特に重要なのは、逮捕の制限がなくなった点と、公訴時効が1年から3年に延長された点です。改正前は法定刑が軽かったため逮捕が制限されていましたが、改正後は悪質な事案で逮捕される可能性があります。
なお、当罰性の低い事案にも配慮し、拘留・科料も引き続き残されています。
実際の量刑の傾向としては、対面での侮辱では科料9,000円〜9,900円が多く、ネット上の投稿では罰金5万円〜30万円が科される傾向にあります。SNSへの動画投稿や掲示板への執拗な書き込みなど、悪質性が高い事案ほど罰金額が高くなります。
名誉毀損罪と侮辱罪の比較表
| 名誉毀損罪(230条) | 侮辱罪(231条) | |
|---|---|---|
| 事実の摘示 | 必要 | 不要 |
| 法定刑 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料 |
| 具体例 | 「あの人は横領をしている」「不倫している」 | 「バカ」「クズ」「ブス」「無能」 |
| 親告罪 | はい | はい |
| 230条の2の適用 | あり | なし |
名誉毀損罪が成立しない場合 ― 公共の利害に関する特例(230条の2)
名誉毀損罪には、表現の自由との調和を図るための重要な特例があります。刑法230条の2は、一定の条件を満たす場合に名誉毀損罪の成立を否定するものです。
免責の3要件
以下の3つの要件をすべて満たす場合、処罰されません。
1. 公共の利害に関する事実であること
社会一般の利害に関係する事実であることが必要です。私生活上の行為であっても、社会的活動に対する評価の資料になりうる場合は該当します(最判昭56.4.16)。
なお、起訴前の犯罪行為は公共の利害に関する事実とみなされます(230条の2第2項)。
2. 目的が専ら公益を図ることにあること
主たる動機・目的が公益にあればよく、唯一の動機である必要はありません。ただし、摘示方法や事実調査の方法・程度なども判断材料となります。
3. 真実であることの証明があったこと
摘示事実の重要部分が真実であることを証明する必要があります。証明の程度は、合理的な疑いを容れない程度とする裁判例があります。
真実と誤信した場合(真実性の錯誤)
真実であることの証明ができなくても、確実な資料・根拠に照らし相当の理由があれば、故意が否定され名誉毀損罪は成立しません(最大判昭44.6.25)。
ただし、「自分は本当だと思っていた」というだけでは足りません。一方当事者の主張など、断片的で客観性のない資料に基づく誤信では、相当な理由は認められないとされています(最決昭46.10.22)。
また、ネット上の表現でも緩やかな基準は認められません。最高裁は、インターネット上に載せた情報は不特定多数が瞬時に閲覧可能であり、名誉毀損の被害は時として深刻なものとなりうることを理由に、他の表現手段と同じ基準で判断すべきとしています(最判平22.3.15)。
「ネットだから許される」という考えは誤りです。
ネット上の誹謗中傷と名誉毀損・侮辱
SNS・掲示板・口コミサイトでの誹謗中傷が刑事事件化するケースが増えています。
ネット名誉毀損の特徴
ネット上の名誉毀損・侮辱には、以下の特徴があります。
- 書き込みが残り続ける ― 被害が長期化・拡大しやすい
- 匿名でも特定される ― IPアドレスやプロバイダへの照会で発信者を特定できる
- 拡散が容易 ― リツイートや引用なども名誉毀損にあたる可能性がある
- 告訴期間が延びる可能性がある ― 詳しくは次の項目で解説します
被害者側の告訴の流れ(概要)
名誉毀損罪・侮辱罪は親告罪です(刑法232条)。被害者の告訴がなければ起訴されません。
告訴期間は、犯人を知った日から6か月です(刑事訴訟法235条)。
ここで重要なのは、ネット上の記事が閲覧可能な状態が続いている場合、犯罪は終了しておらず、告訴期間は進行しないとする裁判例がある点です(大阪高判平16.4.22)。
つまり、「投稿から時間が経っているから大丈夫」とは限りません。記事が削除されない限り、いつでも告訴される可能性があるのです。この点は、加害者側にとって早期に投稿を削除し、示談に動くべき大きな理由となります。
なお、被害者は民事訴訟(損害賠償請求)と並行して刑事告訴を行うケースも多く見られます。
名誉毀損・侮辱で逮捕された場合の弁護活動
ここからは、加害者側の弁護活動について解説します。
示談による不起訴を目指す
名誉毀損罪・侮辱罪は親告罪であるため、被害者が告訴を取り消せば、検察官は起訴できません(刑事訴訟法237条1項)。
したがって、被害者との示談交渉が最も重要な弁護活動となります。示談交渉では、以下のポイントが重要です。
- 被害者の処罰感情を和らげる誠意ある謝罪
- 投稿の削除と再発防止の誓約
- 適切な示談金の提示
なお、告訴の取消しは公訴提起前までに行う必要があります。また、告訴を取り消した場合は再度の告訴はできません(刑事訴訟法237条2項)。
230条の2(真実性の証明)による無罪主張
公共の利害に関する事実について、公益目的で、かつ真実であることが証明された場合は、名誉毀損罪は成立しません。また、真実と信じたことに相当の理由がある場合も故意が否定されます。
この主張が認められるかどうかは、資料・根拠の確実性が決め手となります。
弁護士に早期相談するメリット
名誉毀損・侮辱の事案では、早期の対応が結果を大きく左右します。
- 逮捕前の段階で示談交渉を開始できる可能性がある
- 投稿の削除により被害拡大を防ぎ、情状面で有利になる
- 不起訴処分を目指す具体的な戦略を立てられる
告訴されてから慌てるのではなく、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
【コラム】性的ディープフェイクと名誉毀損罪
近年、AI技術の急速な発達により、性的ディープフェイクの被害が社会問題化しています。ここでは、性的ディープフェイクに対して名誉毀損罪がどこまで対応できるのか、現行法の可能性と限界を解説します。
性的ディープフェイクとは
性的ディープフェイクとは、AI技術を使用して、実在する人物の容貌を含む虚偽の性的イメージ(動画・画像)を作成することをいいます。たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 衣服を着用した写真から衣服を削除して生成された裸の画像
- 既存の性的動画・画像に被害者の容貌情報を合成して生成された動画
- 被害者の顔写真をアダルトビデオの出演女優の顔部分に合成した動画
芸能人や有名人だけでなく、SNSや卒業アルバムの画像を使用して一般人が被害者となるケースも増えています。
名誉毀損罪は適用できるのか?
性的ディープフェイクを直接処罰する法律は、日本にはまだ存在しません。そのため、現行法では主に名誉毀損罪(刑法230条)の適用が検討されています。
名誉毀損罪が成立するには、①公然と、②事実を摘示し、③人の名誉を毀損する、という3要件が必要です。性的ディープフェイクについて、各要件を検討します。
「事実の摘示」の問題
名誉毀損罪の成立には、性的ディープフェイクが「人の社会的評価を害するに足りる事実を摘示」したといえるかが問題となります。
裁判例では、性的ディープフェイクが「被害者がアダルトビデオに出演した」旨の社会的評価を害する事実を摘示したと認定したものがあります(東京地判令和2年12月18日、同令和3年9月2日)。
特に東京地判令和3年9月2日の事案では、AIを使ってアダルトビデオの出演女優の顔を著名女性芸能人の顔に合成したディープフェイク動画をサイトに掲載した被告人に対し、名誉毀損罪及び著作権法違反の罪で懲役2年・罰金100万円(懲役刑につき執行猶予3年) が言い渡されています(確定。なお、本判決は旧法下のものであり、現行法では「懲役」は「拘禁刑」に改められています)。
この事案では、弁護人が「動画にはディープフェイクであることを示すロゴが付されており、サムネイルにも『激似ディープフェイク』等の表示がある」として名誉毀損罪の成立を争いましたが、裁判所は動画の精巧さを主たる理由として、「誤信するおそれがないとはいえない」と判示し、弁護人の主張をいずれも排斥しました。
もっとも、一見してフェイクとわかるほど精巧さに欠ける場合には、事実の摘示に関する認定が困難になるとの指摘もあります。
「名誉の毀損」(社会的評価の低下)の問題
名誉毀損罪は抽象的危険犯であるため、現実に名誉が毀損されたことまでは不要です。社会的評価を害するおそれがあれば足ります。
しかし、「被害者がアダルトビデオに出演した」という事実が社会的評価を害するかについては、アダルトビデオへの出演を職業として選択している人が存在する以上、それ自体で社会的評価が低下するとは言い切れないとの批判もあります。性的ディープフェイクの被害の本質は「社会的評価の低下」ではなく、本人の同意なく性的対象化されることにあるため、名誉毀損の枠組みだけでは捕捉しきれない部分があるのです。
「公然性」の問題
不特定多数が閲覧できるSNSや動画サイトへの投稿であれば公然性は問題なく認められます。
一方、閉鎖的なグループチャットやDMでの共有にとどまる場合、伝播可能性の理論による拡張解釈には限界があり、公然性が否定される可能性もあります。
適用が考えられるその他の罪
性的ディープフェイクの事案では、名誉毀損罪のほかにも、事案に応じて以下の罰則の適用が検討されます。
| 罪名 | 適用場面 | 留意点 |
|---|---|---|
| 著作権法違反(翻案権侵害・公衆送信権侵害) | 既存のアダルトビデオをAIに学習させて動画を生成した場合 | 名誉毀損罪と併せて立件することで量刑上のメリットあり |
| わいせつ物頒布等罪(刑法175条) | モザイク除去等で無修正動画を生成・公開した場合 | 「児童の実在性」が不要なため立証上の優位性あり |
| 児童ポルノ等規制法 | 被害者が18歳未満の場合 | AI生成でも「実在する児童」の顔写真を素材にしたものは該当しうる |
| リベンジポルノ防止法 | 私事性的画像記録に該当する場合 | 立案者見解ではAI合成画像への適用は限定的 |
上記の東京地判令和3年の事案でも、検察は名誉毀損罪に加えて著作権法違反で起訴しています。名誉毀損罪単独では罰金50万円が上限であるのに対し、著作権法違反を併せることで拘禁刑に加え高額の罰金を併科できるため、量刑上の意味は大きいとされています。
現行法の限界
以上のとおり現行法でも複数の罰則を駆使して対処することは可能ですが、性的ディープフェイクの被害は、名誉毀損罪の「社会的評価の低下」という観点だけでは適切に捕捉できないとの指摘が有力です。被害の実態は、被害者が自ら作り出したわけではない性的イメージを同意なく帰属させられ、性的対象へと貶められることにあります。
諸外国では、性的ディープフェイクに対する立法的対応が進んでいます。
| 国・地域 | 対応状況 |
|---|---|
| 台湾 | 2023年刑法改正で虚偽の性的画像の作成・頒布を直接処罰(319条の4) |
| 韓国 | 2020年性暴力処罰法改正、2024年再改正で製造・所持・視聴行為まで処罰対象に拡張 |
| 日本 | 直接規制する法律なし。名誉毀損罪・わいせつ物頒布罪等で「転用」対応 |
日本でも、「Image-Based Sexual Abuse(イメージに基づく性的虐待)」として、同意なく性的イメージを生成・拡散する行為を直接規制する立法の必要性が議論され始めています。
被害に遭った場合・加害者として問われる場合
被害者の方へ: 性的ディープフェイクの被害に遭った場合、名誉毀損罪での告訴のほか、わいせつ物頒布等罪(刑法175条)、リベンジポルノ防止法違反での対応も考えられます。被害者が18歳未満の場合は児童ポルノ法の適用も検討されます。早期の証拠保全と弁護士への相談が重要です。
加害者側の方へ: 「AIで作っただけ」「冗談のつもりだった」という認識であっても、名誉毀損罪は成立し得ます。性的ディープフェイクの製造・拡散に関与してしまった場合は、速やかに弁護士にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. SNSで悪口を書いたら名誉毀損になりますか?
A. 具体的な事実を示して人の社会的評価を低下させる内容であれば名誉毀損罪、事実の摘示がなく抽象的な侮蔑表現であれば侮辱罪に該当する可能性があります。SNSへの投稿は不特定多数が閲覧できるため、公然性が認められやすいといえます。
Q. 本当のことを書いても名誉毀損になりますか?
A. 名誉毀損罪は「事実の有無にかかわらず」成立します(刑法230条1項)。ただし、公共の利害に関する事実について、公益目的で、真実であることが証明された場合は処罰されません(刑法230条の2)。「本当のことだから問題ない」とは限りませんのでご注意ください。
Q. 名誉毀損罪の時効はどのくらいですか?
A. 名誉毀損罪の公訴時効は3年です。また、親告罪であるため、被害者が犯人を知った日から6か月以内に告訴する必要があります。ただし、ネット上の記事が閲覧可能な状態が続いている場合、犯罪が終了していないとして告訴期間が進行しないとする裁判例があります。
Q. 侮辱罪で逮捕されることはありますか?
A. 2022年の法改正により、侮辱罪の法定刑が引き上げられ(1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が追加)、通常逮捕や現行犯逮捕の制限がなくなりました。悪質な事案では逮捕される可能性があります。
Q. 名誉毀損で告訴されたらどうすればいいですか?
A. まずは弁護士に相談し、事案の内容を正確に把握することが重要です。親告罪であるため、被害者との示談により告訴が取り消されれば起訴されません。早期に弁護士を通じて示談交渉を開始することで、不起訴処分を目指すことが可能です。
まとめ
名誉毀損罪と侮辱罪の違い、成立要件、弁護活動のポイントを振り返ります。
- 名誉毀損罪と侮辱罪の違いは「事実の摘示」の有無
- 名誉毀損罪の法定刑:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
- 侮辱罪の法定刑(2022年改正後):1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
- ネット上の誹謗中傷も刑事事件化するケースが増加
- いずれも親告罪であり、被害者との示談による告訴取消しが最も効果的な弁護活動
- 230条の2による免責や、真実性の錯誤による故意否定の可能性もある
レナトス法律事務所では、名誉毀損・侮辱に関する刑事事件に注力する弁護士がご相談を承っております。SNSへの書き込みで被害届を出された方、告訴されてお困りの方は、お早めにご相談ください。
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免責事項: この記事は2026年4月11日時点の法令に基づき、一般的な法律知識の提供を目的としたものです。個別の事案についての法的アドバイスではありません。具体的なお悩みについては、弁護士にご相談ください。
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