刑事事件の弁護士費用はいくら?費用の決まり方と相談前の確認事項

刑事事件の弁護士費用は、着手金・報酬金・実費・日当で構成され、私選弁護では事案により30万円から100万円超まで幅があります。費用は事件の難易度や段階により変動します。本記事では、刑事弁護費用の相場・内訳の意味・国選との費用比較・レナトス法律事務所の料金体系を、刑事事件に注力する弁護士が解説します。

ご家族が逮捕された。警察から呼び出しを受けた。警察署の取調室のドアが閉まった瞬間、頭に最初に浮かぶのは「これからどうなるのか」という不安です。そしてその次に、多くの方が口ごもりながら電話口で最初に尋ねる質問が、これです。

「弁護士さんって、いくらかかるんですか」

お金の話を最初に聞くのは、失礼なことでも、冷たいことでもありません。当然のことです。刑事事件の弁護は数十万円から、事案によっては百万円を超えることもあります。家計のやりくりをしながら生きている普通の家庭にとって、先の見えない出費ほど怖いものはありません。

この記事は、その不安に正面から答えるために書きました。レナトス法律事務所(大宮)の代表弁護士として、刑事事件の弁護士費用の相場、費用の内訳、料金体系の種類、国選弁護との比較、自動車保険の弁護士費用特約が使えるケース、そして当事務所の料金を、すべて公開します。

ホームページの隅に小さく「料金はお問い合わせください」と書いておけば、個別事情を口実にいくらでも上乗せできます。それは依頼者にとって誠実ではありません。迷っているご家族が、記事を一本読み終えたときに「ああ、これなら相談してみよう」「ここは手が届かないから別を探そう」と判断できる――そういう透明性を、刑事弁護にこそ持ち込みたいと考えています。


1. 刑事事件の弁護士費用は何で構成されているか

まず、「弁護士費用」と一口に言っても、実際には複数の項目に分かれています。この内訳を理解しないまま総額だけを比べると、比較を誤ります。

刑事事件の弁護士費用は、概ね次の4つで構成されます。

(1) 法律相談料

正式に依頼する前の、最初の相談にかかる費用です。1時間あたり5,000〜11,000円程度が相場で、30分5,500円という設定をしている事務所も多くあります。相談だけで帰ることもできますし、その場で依頼を決めることもできます。

多くの事務所では、実際に依頼した場合には、この相談料を着手金の一部として差し引く(充当する)扱いにしています。相談のみで終わった場合は相談料のみの負担で済みます。

(2) 着手金

依頼を受けたときに、最初にお支払いいただく費用です。「成功するかどうかにかかわらず発生する」というのが着手金の特徴で、弁護活動の対価の一部を前払いでいただくイメージです。

着手金は、結果が出なくても原則として返金されません。これは全国共通のルールで、依頼者にとって「覚悟の出費」になります。だからこそ、着手金の設定は慎重に、明朗に決める必要があります。

(3) 結果報酬

結果報酬は、事件の最終結果(不起訴・無罪・執行猶予・量刑減軽など)に応じて発生する報酬です。事件が一定の節目を迎えたところで「ここが成功」と評価し、契約に基づいて支払われます。

「最終結果」と限定するのは、弁護活動の途中で得られる個別の成果(保釈獲得・示談成立など)は成果報酬として別建てで扱う設計だからです。両者の違いは、本記事の「結果報酬と『成功の定義』問題」と「成果報酬の役割と相場」で詳しく解説します。

結果報酬は事務所により金額が大きく異なります。また、何をもって「成功」とするかの定義も事務所ごとに違うため、契約前に確認が必要です。

(4) 成果報酬

成果報酬とは、事件全体の最終結果ではなく、個別のマイルストーン達成に対する報酬です。結果報酬と区別される概念で、弁護活動の途中で得られた具体的な「成果」に対して発生します。

典型例は以下のとおりです。

  • 身柄解放(保釈許可・釈放):起訴後の保釈が認められたり、勾留決定への準抗告で釈放を勝ち取ったりした場合
  • 示談成立(宥恕あり):被害者から「許す」旨の意思表示を得られた場合
  • 示談成立(宥恕なし):金銭的な合意のみが成立した場合

結果報酬と成果報酬を分けることで、依頼者にとって「どの活動にどれだけの費用がかかるか」が見えやすくなります。弁護士にとっても、最終結果だけでなく途中の節目ごとに「やり切る」インセンティブが働きます。

(5) 日当

日当とは、弁護士が事務所外で活動する際に発生する報酬です。接見・公判出廷・示談交渉・保釈請求のための裁判所訪問など、移動と現地活動の時間に対する対価です。

「実費」は交通費・郵便代等の実際に発生した経費を指し、日当とは別の項目になります。

事務所によっては、日当を明示せず着手金や結果報酬・成果報酬に含めるケースもあります。レナトスでは日当を独立した項目として明示し、預託金から自動的に充当する方式を採用しています。これは、依頼者にとって「事案ごとの予測不能な日当」が不安要因にならないようにするためです。

(6) 実費

交通費、郵便代、コピー代、記録謄写費用(裁判記録のコピー代)、通信費など、実際に発生した経費です。遠方の拘置所への接見であれば交通費だけで数千〜数万円になることもあります。

以上の6項目が、刑事事件の弁護士費用の基本構造です。「総額〇〇万円」と言われたときは、この6つのどれを含めた金額なのかを必ず確認してください。


2. 着手金の相場はいくらか

2-1. 相場の全体像

日本弁護士連合会(日弁連)がかつて公表していた旧報酬基準、および現在の各事務所の公開料金を踏まえると、刑事事件の着手金の相場はおおむね次のとおりです。

事件の性質 着手金の相場
認め事件(事実を認める事件) 30〜40万円
否認事件(事実を争う事件) 40〜60万円
裁判員裁判対象の重大事件 60〜100万円以上

この「認め事件」「否認事件」の区別は、刑事弁護を理解するうえでの核心です。

2-2. 認め事件と否認事件の違い

認め事件は、依頼者本人が犯行を認めている事件です。弁護活動の中心は、「事実は認めたうえで、どうすれば処分を軽くできるか」「被害者との示談はまとまるか」「不起訴を目指せるか」「実刑ではなく執行猶予を得られるか」になります。

否認事件は、依頼者が犯行を争う(無罪を主張する、あるいは起訴状の内容を争う)事件です。証拠の精査、捜査側のストーリーへの反論、公判での徹底的な争いが必要で、弁護士の作業量は認め事件の数倍になります。

このため、否認事件の着手金は認め事件より10〜20万円程度高く設定されるのが一般的です。

2-3. 在宅事件と身柄事件の違い

もう一つ、費用に影響するのが「在宅か、身柄か」です。

  • 在宅事件: 逮捕されていない、または釈放されて自宅から警察に通うケース
  • 身柄事件: 逮捕・勾留されて警察署や拘置所に拘束されているケース

身柄事件の場合、弁護士は接見(拘置所や警察署に面会に行くこと)を頻繁に行う必要があります。勾留初日から起訴前までの20日間程度の間に、5〜10回以上の接見を行うことも珍しくありません。

1回の接見には、移動時間も含めて半日〜1日近くかかります。このため、身柄事件の着手金は在宅事件より数万円〜10万円程度高く設定されるのが通常です。

2-4. 「結果報酬を含めた総額」で比較すべき理由

事務所によって、着手金を低めに設定して結果報酬で回収する設計、着手金で多めにいただいて結果報酬は控えめにする設計、さまざまです。

着手金だけを横並びに比較して「安い」と判断するのは危険です。着手金 + 想定される結果報酬 + 実費 の合計で、総額の見通しを立ててください。契約前に、弁護士に「この事案であれば、最終的にいくらぐらいになる見込みですか」と率直に聞いてください。誠実な弁護士は、幅をもたせたうえでも答えられます。


3. 結果報酬と「成功の定義」問題

3-1. 結果報酬の相場

結果報酬は、結果に応じて支払う費用です。相場はおおむね次のとおりです。

結果 結果報酬の相場
不起訴処分 30〜50万円
略式命令(罰金)で終了 20〜40万円
執行猶予付き判決 30〜50万円
無罪判決 100万円以上
保釈決定 10〜20万円(別途設定する事務所もあり)

これらはあくまで目安で、事案の軽重や争点の複雑さによって上下します。

3-2. 「何をもって成功とするか」が最重要

刑事弁護における結果報酬の最大の論点は、「何をもって成功と呼ぶか」です。たとえば、

  • 「不起訴」を成功と定義するのか、「略式(罰金)」も含めるのか
  • 「執行猶予」を成功と呼ぶのか、「求刑より軽い実刑」も成功に入るのか
  • 「保釈」単体でも結果報酬の対象にするのか

ここを契約前に詰めておかないと、事件終了時に「これは成功ではありません」と言われて追加請求されたり、逆に「これが成功のはずだ」と主張して揉めたりします。

レナトス法律事務所では、受任前の面談で「この事件での『成功』とは何を指すか」を依頼者と一緒に整理し、契約書に具体的に書き込むことを徹底しています。書面にない成功は、存在しない成功です。これは依頼者を守るルールでもあります。


4. 成果報酬の役割と相場

成果報酬とは何か

成果報酬は、事件の最終結果(不起訴・執行猶予など)ではなく、弁護活動の途中で達成された個別のマイルストーンに対する報酬です。

結果報酬と成果報酬は、何が「成功」なのかという観点が異なります。

  • 結果報酬:事件全体としての最終結果(不起訴・無罪・執行猶予・量刑減軽)
  • 成果報酬:個別のマイルストーン達成(保釈獲得・示談成立・準抗告認容)

たとえば、保釈は獲得できたが最終的には実刑判決になった、というケースを想像してください。結果報酬の枠組みでは「成功とは言えない」ですが、成果報酬の枠組みでは「保釈獲得」は明確な成果として評価できます。逆に、保釈は認められなかったが最終的には執行猶予になった、というケースでは結果報酬が発生し、成果報酬は0円のままです。

成果報酬の相場

業界の相場感は次の程度です。

  • 身柄解放(保釈獲得・準抗告認容):5〜15万円程度
  • 示談成立:10〜20万円程度(被害者1人あたり)

事務所によっては成果報酬を設けず、すべて「結果報酬」に含めて契約書で個別に明記する方式(業界では「成功報酬」と総称することが多い)も一般的です。成果報酬を独立項目として明示する方式は、依頼者にとっての透明性を優先する設計です。

なぜ成果報酬を分けるのか

結果報酬と成果報酬を分けるメリットは2つあります。

1つ目は、依頼者にとって「どの弁護活動にどれだけの費用がかかるか」が見えやすくなることです。「保釈を取りに行ってほしい」「示談をまとめてほしい」という個別のお願いに対し、料金の見通しが立てやすくなります。

2つ目は、弁護士の動機設計です。最終結果だけが評価対象だと、途中で「これ以上動いても結果は変わらない」と判断された場合に活動が手薄になる懸念があります。成果報酬があれば、途中の節目ごとに「やり切る」動機が働きます。

5. 日当の意味と相場

日当とは何か

日当とは、弁護士が事務所外で活動する際に発生する報酬です。具体的には、留置場所への接見、裁判所への出廷、被害者との示談交渉、保釈請求のための面接などのために移動・滞在する時間に対する対価です。

日当は「実費」とは別の項目です。実費は交通費・郵便代・コピー代など、実際に発生した経費の実額ですが、日当は弁護士の稼働時間そのものに対する対価です。

日当の相場

事務所によって設計が大きく異なります。

  • 半日(4時間以内):3〜5万円程度
  • 1日(4時間超):5〜10万円程度
  • 時間単価(1時間2〜5万円)方式の事務所もあります

遠方の拘置所への接見や、長時間の公判出廷を伴う事件では、日当の総額が10万円〜数十万円規模になることもあります。事務所を選ぶ際には、日当の設計を必ず確認してください。

レナトスでは日当を低く設定しています

レナトスの日当は、1回あたり22,000円(初回接見のみ44,000円)です。業界相場の下限よりも低めに設定しています。

理由は2つあります。

1つ目は、「事案ごとの予測不能な日当」が依頼者の不安要因にならないようにするためです。刑事事件の弁護活動では、接見回数や出廷日数が事前には見通せません。日当が高額だと、「あといくらかかるのか」が依頼者にとって常に心配の種になります。

2つ目は、預託金制度との組み合わせです。日当・交通費は受任時の預り金から自動的に充当され、事件終了時に残額が返金されます。依頼者が事件中に追加で振込手続きをする必要がなく、心理的負担も軽くなります。

6. 料金体系の2つのタイプ――ここが本当の分岐点

刑事弁護士を選ぶとき、着手金の金額以上に見ていただきたいのが、「料金体系のタイプ」です。ここが、依頼者の最終的な負担に大きく影響します。

6-1. 分離型(市場の多数派)

「分離型」とは、捜査段階と公判段階で別々に着手金を設定する方式です。

  • 捜査段階の着手金: たとえば33万円
  • 起訴された場合、公判段階の追加着手金: さらに33万円

合計66万円。ただし、不起訴や略式で終われば公判段階の着手金は発生しません

この方式のメリットは、軽微な事件や不起訴で終わる見込みが高い事件では、総額が低く抑えられることです。

デメリットは、起訴された瞬間に「追加で着手金が必要です」と言われる場面が生じることです。捜査段階の終わりに不起訴にならず、起訴が決まった直後というのは、依頼者・ご家族にとって精神的にもっとも辛い時期です。そこに費用の追加負担の話が重なると、心理的な圧迫は相当なものになります。

6-2. トータルパッケージ型(レナトスの方式)

「トータルパッケージ型」は、着手金1本で捜査段階から公判段階まで一括対応する方式です。起訴されても追加の着手金は発生しません。

  • レナトスの着手金: 33〜44万円(在宅・身柄・認め・否認で区分)
  • 起訴された後も、追加の着手金はゼロ

メリットは明確です。途中で費用の追加を心配する必要がありません。「起訴されたら追加で何十万円」という不安を抱えたまま捜査対応するのは、依頼者にとっても弁護士にとっても健全ではないと考えています。

デメリットもあります。不起訴で早期に終わった場合、「捜査段階だけの対応料として考えると割高だったのでは」と感じられる可能性があります。

レナトスは、この点について次のように対処しています。

  • 受任前に「この事件は不起訴の見通しがどの程度あるか」を正直にお伝えする
  • 軽微で不起訴の可能性が極めて高い事案では、分離型の他事務所を紹介することも含めて案内する
  • それでもトータルパッケージを選んでいただいた方には、最後まで責任を持って対応する

料金体系は優劣ではなく、「どちらが依頼者の事件に合っているか」の選択です。重要なのは、依頼者がその違いを理解したうえで選べることです。

6-3. 分離型とトータルパッケージ型の比較

項目 分離型 トータルパッケージ型
着手金の払い方 捜査段階と公判段階で別々 最初に一括
起訴された場合 追加着手金が発生 追加なし
不起訴で終わった場合 総額が安くなる 割高感が出る可能性
途中の心理的負担 起訴時に再度発生 入口だけで完結
向いている事案 軽微・不起訴見込みが高い事案 起訴の可能性がある事案、長期戦になりそうな事案

7. 国選弁護人との費用比較

費用の話をするとき、必ず出るのが「国選弁護では足りないのか」という質問です。

結論から言えば、国選弁護は費用負担なしで使える優れた制度です。ただし、使える場面と使えない場面があり、そして私選弁護との間には「動ける量」の差があります

7-1. 国選弁護の費用

国選弁護人が付いた場合、依頼者(被告人・被疑者)は費用を負担しません。弁護士の報酬は法テラス(日本司法支援センター)が支払います。経済的に困難な方のための制度ですから、基本的には資力要件があります。

ただし、判決で「訴訟費用は被告人の負担とする」と言い渡された場合は、後日、国選弁護の報酬相当額の一部を納付するよう求められることがあります。

7-2. 国選弁護が使えないタイミング

国選弁護が使えるのは、勾留状が発付された後からです。

つまり、

  • 逮捕直後(逮捕〜勾留決定までの最大72時間)には国選弁護は付かない
  • 任意出頭・任意の取調べ段階でも国選弁護は付かない
  • 被害届が出されたが逮捕されていない段階でも国選弁護は付かない

この「初動の72時間」「任意の取調べ段階」は、実は刑事事件の行方を決定づける最も重要な時期です。ここで供述調書にどう対応するか、どこまで話すべきか、取調べでの態度はどうするか――これらが、後の処分を大きく左右します。

この時期に弁護士のアドバイスを受けたい場合は、私選弁護人(自費で頼む弁護士)を依頼するしかありません

7-3. 国選と私選の「動ける量」の差

国選弁護の場合、接見回数に法律上の「制限」はありません。何回行っても構いません。

ただし、法テラスの報酬体系上、捜査段階で基準とされる接見回数(おおむね5回程度)を超えると、弁護士への報酬の増え方が大幅に鈍る仕組みになっています。弁護士も生活がありますから、報酬がほぼ増えないとわかっている接見を何回も積み上げるのは、構造的に難しい。

結果として、国選弁護では基準回数付近で接見が打ち止めになりやすい、という実態があります。

私選弁護の場合は、この仕組みの影響を受けません。必要なら週に3回でも4回でも接見に行ける――これが、私選弁護の最大の実質的な価値です。

接見は、ただの面会ではありません。取調べの状況をすり合わせ、次の取調べへの準備を行い、ご家族からの伝言を届け、心を折らせないための作業です。接見が薄くなれば、取調べへの対応も薄くなります。

費用をかけて私選を頼む意味は、ここにあります。

7-4. どちらを選ぶかの判断基準

  • 初動(逮捕直後〜勾留決定まで)が重要な事案: 私選一択
  • 否認事件・複雑な事件: 私選を強く推奨
  • 軽微で争いがなく、資力も乏しい: 国選で十分な場合も多い
  • 家族に何があっても絶対に執行猶予を取りたい、不起訴にしたい: 私選

国選と私選の違いについては、別記事国選・私選の違いでより詳しく解説しています。


8. 弁護士費用特約は刑事事件に使えるか

「自動車保険に弁護士費用特約を付けているけれど、これは刑事事件でも使えるのか」――交通事故を起こしてしまった方から、必ずいただく質問です。

結論を先に言います。条件が揃えば、刑事事件にも使えます。ただし、普通の弁護士費用特約では使えません。

8-1. 適用の前提――対人事故であること

刑事対応の弁護士費用特約が使える前提は、自動車または原動機付自転車による偶然な事故で、他人の生命または身体を害した場合、つまり対人事故であることです。

物損事故のみ(ガードレールにぶつけた、停車中の車にぶつけたなど)の場合は、適用されません。

8-2. 3つの典型ケース

対人事故を前提として、保険会社・特約によりますが、次のいずれかが生じた場合に刑事弁護士費用が補償されます。

  1. 被保険者が逮捕された場合
  2. 1以外で被害者が死亡した場合
  3. 1・2以外で被保険者が起訴等をされた場合(ただし略式命令請求のみの場合は除く。つまり公判請求がされた場合)

たとえば、

  • 死亡事故を起こして過失運転致死罪で逮捕された → 1に該当
  • 逮捕はされていないが、被害者が亡くなって在宅で捜査を受けている → 2に該当
  • 重傷事故で、在宅のまま過失運転致傷罪で公判請求された → 3に該当

いずれのケースでも、刑事弁護士費用が保険で賄われる可能性があります。

8-3. 「通常の弁護士費用特約」では足りない

ここが最大の注意点です。多くの方が混同しますが、

  • 通常の弁護士費用特約(交通事故の民事用): 自分が被害者になったときの損害賠償請求の費用を補償する。刑事事件は対象外。
  • 「弁護士費用に関する特約」「弁護士費用特約(刑事事件等対応型)」など刑事対応を含む特約: 上記1〜3のようなケースで刑事弁護費用を補償する。

ご自身の保険証券で、「刑事事件」「刑事訴訟」「逮捕」「起訴」といった文言が特約の補償範囲に含まれているかを確認してください。わからなければ、保険会社のコールセンターに「刑事弁護の費用は出ますか」と直接聞くのが確実です。

8-4. 補償上限

補償の上限額は保険会社・特約によって異なりますが、概ね150万円〜300万円のレンジが多いです。

刑事弁護費用の相場を考えると、この上限内で十分カバーできるケースが大半です。逆に言えば、交通犯罪の刑事弁護は保険で賄える可能性が高いということです。

注意:項目別の上限があります。 特約から支払われる費用は、着手金・報酬金(結果報酬)・日当・その他実費という項目ごとに、それぞれ上限額が設定されています。総額150万円の枠内であっても、各項目の上限を超えた費用は自己負担となります。実際にいくら補償されるかは、ご自身の保険証券の別表(「お支払いする刑事弁護士費用保険金の上限額」)でご確認ください。

事故を起こして、もし刑事手続きに進んでしまった場合は、まず保険会社に連絡して弁護士費用特約の適用可否を確認してください。これを怠ると、自己負担で数十万円を支払ってから後で「実は保険で出たのに」と気づくことがあります。


9. レナトス法律事務所の料金――全公開

ここまで相場と仕組みの話をしてきました。最後に、レナトス法律事務所の料金を全公開します。

9-1. 料金表

レナトス法律事務所の刑事事件の料金は、以下のとおりです。料金ページと同じ内容を掲載しています。

着手金

事案の種類 金額(税込)
認め事件(罪を認めている)・在宅 330,000円
認め事件・身柄拘束中 385,000円
否認事件(無実を主張する)・在宅 550,000円
否認事件・身柄拘束中 個別協議

初回接見

項目 金額(税込)
初回接見 44,000円+交通費実費

初回接見後にご依頼いただいた場合、接見費用は着手金の一部に充当いたします。

結果報酬(見通し別)

結果報酬は、弁護士がお伝えした「見通しを上回る結果」が出た場合のみ発生します。見通しどおりの結果であれば0円です。具体的な金額は、受任時に事案ごとの見通しとあわせて契約書で明示します(詳細は料金ページを参照ください)。

成果報酬

弁護活動のなかで以下の成果が得られた場合、結果報酬とは別に発生します。

項目 金額(税込)
身柄解放(保釈許可・釈放) 110,000円/回
示談成立・宥恕(ゆうじょ)あり 220,000円/件
示談成立・宥恕なし 110,000円/件

日当・実費

項目 金額(税込)
日当(接見・示談交渉・公判出廷・保釈請求等) 22,000円/回
交通費 実費

日当は、弁護士が事務所外で活動するたびに発生します。預託金制度により、受任時に着手金と預り金をまとめて振込みいただき、日当・実費は預り金から自動的に充当します。事件終了時に精算し、残額はご返金します。

9-2. レナトスの料金設計の考え方

着手金33万円〜44万円は、刑事弁護の市場相場(認め事件30〜40万円、否認事件40〜60万円)の中では、かなり安い水準です。

結果報酬22万円〜も、相場の下限からさらに下に設定しています。

なぜこの金額にできるのか。理由は3つあります。

  1. 開業間もない事務所として、まず信頼を積み上げる段階であること
  2. トータルパッケージ型なので、途中の追加着手金が発生せず、見通しが立てやすいこと
  3. 刑事事件を主力の一つとして取り組むため、数をこなすことを前提にした料金設計にしていること

「安かろう悪かろう」ではありません。むしろ、料金で迷って依頼をためらったために初動が遅れる――そのほうが、依頼者にとって取り返しのつかない損失になります。まず相談のハードルを下げることを優先しました。

9-3. 着手金の分割払いについて

着手金は一括払いのみとさせていただいています。分割払いには対応していません。

これは、着手金が「弁護活動の出発点」であり、事件途中で支払いが滞ると弁護活動そのものが継続できなくなるからです。分割にすることで依頼者側にも事務所側にも不安定さが残ります。

ただし、結果報酬の支払いについては、ご事情に応じてご相談に応じます。判決後の生活再建と並行しての支払いになることが多いため、現実的な分割払いを柔軟に設計しています。

9-4. 見通しの共有

レナトスでは、受任前の面談で、

  • この事案は不起訴になる可能性がどれくらいあるか
  • 起訴された場合、執行猶予の見込みはどうか
  • 身柄はどの程度の期間拘束される見込みか
  • トータルでいくらの費用がかかるか
  • その費用に対して、ご家庭の経済状況で対応可能か

これらを率直にお話しします。見通しが悪い事案で「大丈夫です、任せてください」と言うのは不誠実です。厳しい見通しを正直にお伝えしたうえで、それでも依頼したいと言っていただけたら、全力で弁護します。


10. よくある質問

Q1. 相談だけでも料金はかかりますか。
A. はい、相談料として1時間5,500円(税込)を頂戴します。ただし、正式にご依頼いただいた場合は全額を着手金に充当します。つまり、相談で終わった場合だけ5,500円のご負担で、依頼された場合は相談料の実質負担はありません。

Q2. 着手金を支払えない場合、どうすればいいですか。
A. レナトスでは着手金の分割払いはお受けしていません。着手金のご用意が難しい場合は、法テラスの民事法律扶助制度(一部の刑事事件も対象)や、国選弁護の利用をご検討ください。勾留決定後であれば国選弁護が付きます。

Q3. 着手金は結果が悪くても返金されないのですか。
A. 原則として返金されません。これは着手金の性質上、全国の弁護士事務所で共通の扱いです。着手金は「弁護活動への着手」に対する対価であり、結果への対価ではありません。結果への対価は結果報酬です。

Q4. 結果報酬はいくらになるのか、事前にわかりますか。
A. 契約書に「成功の定義」と「その場合の結果報酬の金額」を具体的に書き込みます。したがって、契約時に金額の上限・下限は明確になります。曖昧なままで契約することはありません。

Q5. 弁護士費用特約が使えるかどうかわからないのですが。
A. ご自身の自動車保険の証券をお持ちください。証券の特約欄を一緒に確認します。必要に応じて、保険会社への確認も当事務所から行います。刑事事件対応の特約が付いていれば、自己負担なしで弁護活動を進められる可能性が高いです。

Q6. 他の事務所と相見積もりを取ってもいいですか。
A. もちろん構いません。むしろ、刑事弁護は弁護士との相性が重要なので、複数の事務所で話を聞いて比較することをおすすめします。料金だけでなく、「この弁護士に任せたい」と思えるかどうかを大事にしてください。

Q7. 国選弁護が付いていますが、途中から私選に切り替えられますか。
A. はい、可能です。国選から私選への切り替えは、依頼者側の判断でいつでもできます。費用は切り替え時点から私選弁護人への支払いが発生します。国選弁護人は切り替え時点で解任となります。


11. 最後に――費用の話を堂々としたい

刑事事件は、家族の生活を一瞬で揺るがします。そして、弁護士費用は、その揺らぎのなかで家計にのしかかる現実的な負担です。

「お金の話をすると印象が悪いかな」「失礼かな」と遠慮してしまう方が、本当に多い。でも、費用の話は堂々としてください。弁護士に遠慮して、ギリギリの選択をしたまま事件に臨むほうが、はるかに損失が大きいのです。

レナトス法律事務所は、料金をすべて公開しました。相場も書きました。他の事務所との比較軸も示しました。この記事を読んで、「ここは高い」「ここは合わない」と判断されたなら、それも正しい判断です。

もし、「話だけでも聞いてみたい」「この事件の費用の見通しを知りたい」と思っていただけたなら、相談にお越しください。1時間5,500円で、見通しも、費用も、選択肢も、すべてお話しします。

関連する記事として、逮捕の流れ国選・私選の違いも併せてご覧ください。

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この記事を書いた人

レナトス法律事務所 代表弁護士/埼玉県弁護士会所属(登録番号 第64945号)
刑事事件と交通事故被害者の民事を中心に、ご相談者おひとりおひとりに丁寧に向き合うことを大切にしています。前職のアトム法律事務所を経て、2026年4月に独立・レナトス法律事務所を開設しました。
取扱分野:刑事弁護/交通犯罪/薬物事件/性犯罪/暴行・傷害/交通事故被害者の民事/犯罪被害者支援(拡大予定)

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